首都圏における対策が急務な2040年問題

厚生労働省が出した2040年までの社会保障推移によると、2025年に向けて団塊世代が75歳以上となり、高齢者が急速に増加します。
一方で、生産年齢人口は2040年まで1,000万人以上の減少が生じると発表されました。
今まで少子高齢化時代で乗り越えるべき壁は団塊世代が後期高齢者となる2025年と考えられていましたが、その先の2040年問題も対策が急務です。

2040年には生産者と高齢者の不均衡が頂点に達し、1.5人の生産者が1人の高齢者を支えることになります。
85歳以上の高齢者が高齢者人口の3割近くに達し、さらなる高齢化が進みます。
地方では高齢化が進む中、若者が首都圏へ進出し続け、2040年に消滅する可能性のある自治体は896にも及ぶと予想されています。

2025年で75歳以上となる団塊世代は、2040年には90歳となり、多くの人が介護を必要とするようになります。
現時点でも、東京23区の介護施設は人手不足で、東京周辺からの人手で何とか成り立っているのが現状です。
2040年になると、今度は非正規雇用の割合が高い就職氷河期世代が高齢期を迎えることになり、就業する人が一気に減る見込みです。

福祉分野の2040年問題は、就業者が減って高齢者が増えることによる医療、介護サービスの質の低下です。
特に首都圏は高齢者の人口がこれからも増え続け、危機的状況に陥ると予想されています。
2040年までに都市部では、今後も増え続ける高齢者への対応のため、地域医療、病院、在宅介護サービス、施設介護などあらゆる医療介護サービスを模索しなくてはなりません。